
【Interview】
科学的根拠と職人の勘が交差する場所。LEAVES COFFEEが追い求める「本物のクオリティ」とは
東京・蔵前から世界に向けて日本のコーヒーシーンを牽引する「LEAVES COFFEE ROASTERS」。代表 石井康雄が語る、長年にわたる飲食業界の経験から導き出された独自のコーヒー論、そして次世代の抽出マシン「xbloom」に見出した可能性について話を伺いました。
「産地個性」を最大限に引き出す、エネルギーのコントロール

ーーまず、LEAVES COFFEEが大切にしているコーヒーへのこだわりについて教えてください。
LEAVES COFFEE: 私たちの根底にあるのは「クオリティにフォーカスする」という概念、そして何よりも「産地個性(テロワール)」を鮮明に引き出すことです。
焙煎においても抽出においても、その豆が持つポテンシャルをいかにネガティブな要素を出さずに表現するかにフォーカスしています。
例えば、ゲイシャ種であれば、その特有のフローラルさやフルーティーさを。国や品種が変われば、当然アプローチも変わります。
様々な角度から素材を見極め、焙煎によってその豆の適切なエネルギーを与えることで、豆側の抽出効率をコントロールしています。過抽出や未抽出(オーバーエキストラクション)による雑味やえぐみを出さない、その豆にとっての「正解」を常に追求しています。
ーー具体的に、産地によってどのように焙煎を変えているのでしょうか?
LEAVES COFFEE: 例えば、パナマのゲイシャのような標高、水分値、密度の高い豆は、焙煎の初期段階でしっかりとした熱量(エネルギー)を必要とします。
しかし、ただ熱をかければいいわけではなく、焦げやすさも持ち合わせている。必要な時にはエネルギーをしっかり与え、適切な場面では瞬時に引く。
この「エネルギーのマネジメント」をLEAVES COFFEEの抽出方法に合わせて徹底することで、未抽出でも過抽出でもない、完璧なバランスの液体を目指しています。
「温故知新」が息づく空間と、プロフェッショナルとしての所作

ーーお店に一歩足を踏み入れた瞬間、その洗練された空間に圧倒されます。空間作りへのこだわりは?
LEAVES COFFEE: 私は「温故知新」という言葉が好きなんです。古き良きものを残しながら、現代の新しい感性を取り入れる。
この店舗も、60年前の壁をそのまま活かしつつ、80年〜100年前のヴィンテージランプを現代的な什器とフュージョンさせています。
また、味だけでなく、バリスタの所作や配置の無駄のなさ、清潔感といった「目から入ってくる情報」もクオリティの一部だと考えています。
プロボクサーからコーヒーの道へ。「黒くて苦いが、甘くてフルーティー」に変わった日

ーー元々プロボクサーで、その後レストランを開業されたと伺いました。なぜコーヒーの道へ転身されたのですか?
LEAVES COFFEE: 実は、もともとコーヒーは苦くて苦手だったんです(笑)。
10代の頃から飲食業に勤め始め、27歳の時にはレストランをオープンしました。当時の私にとってコーヒーは「黒くて苦い飲み物」でした。
転機は2010年、ある頂き物の豆を店のマシンで抽出した時でした。出てきたのは、私の知っているコーヒーとは似ても似つかない、赤みがかかった透明感のある、甘くてフルーティーな美しい液体でした。
飲んでみると、苦味はなく、フルーツのような甘さと透明感に溢れていました。
「これは自分の知っているコーヒーじゃない」という衝撃。そこからコーヒーという未知の世界にのめり込んでいきました。
ーーその後、レストランからコーヒー一本に絞られたきっかけは?
LEAVES COFFEE: 自分の淹れたコーヒーで誰かを喜ばせたいという思いが強まり、まずはレストランにコーヒースタンドを併設しました。
その後、コロナ禍でレストラン経営が困難を極めた際、皮肉にも私を助けてくれたのがコーヒーのビジネスでした。
厳しい状況下でコーヒーの売上が伸びていく中で、自分の気持ちも100%コーヒーへと移っていることに気づきました。
そこでレストランはすべて手放し、「LEAVES COFFEE ROASTERS」として、焙煎から手掛ける現在のスタイルを確立したんです。
xbloomがもたらす「マニュアルを超えた」再現性

ーー今回、次世代コーヒーマシンの「xbloom」とコラボレーションされましたが、実際に使ってみた印象はいかがですか?
LEAVES COFFEE: 驚きました。とにかく調整の自由度が高い。温度、注水のタイミング、さらにはバイパス(お湯割り)までコントロールできる。
これはもはや、マニュアルブリューイング(ハンドドリップ)に極めて近いオートマチックマシンです。
私たちが追求している「エネルギーの微細なコントロール」を、これほど高い精度で再現できるマシンは他にありません。
今回作成したレシピも、ハンドドリップのリズムをそのまま落とし込んでいます。
ーーどのような方にxbloomを体験してほしいですか?
LEAVES COFFEE: 「時間はかけられないけれど、本物のコーヒーを飲みたい」という方はもちろん、自分で淹れる楽しさを知っている方にこそ、その再現性の高さに驚いてほしいですね。
「自分より美味しく作れちゃうかも」という遊び心も含めて、衝撃を受けていただけると思います。
科学的根拠(サイエンス)と、職人の勘(クラフト)の融合
ーーコーヒーに対する飽くなき探求心の源は何でしょうか?
LEAVES COFFEE: 私は今でもコーヒーの勉強が大好きなんです。最近では、国内外で様々なブリュワーと意見交換をしたり、実際にセミナーに参加する中で知り得た論文などから着想を得て、グラインドされた粉の分析や抽出成分の出る順番など、科学的根拠(エビデンス)を基にレシピを構築しています。
かつては職人の勘だけが頼りの世界でしたが、今はデータで証明できる部分が増えました。しかし、面白いのはデータだけでは完成しないところ。
コーヒーは農作物ですから、エイジング(状態の変化)が毎日進みます。昨日の正解が今日、通用するとは限らない。
最後は香りを嗅ぎ分け、色を見て判断する「職人の技術」が必要になる。このサイエンスとクラフトの融合こそが、コーヒーの醍醐味だと思います。
家庭でコーヒーをより美味しく楽しむためのアドバイス
ーー最後に、自宅でコーヒーを楽しむ方へ、今日からできるアドバイスをお願いします。
LEAVES COFFEE: 最もシンプルで大切なことは、豆を買う時に「そのお店の人に、ベストな飲み頃を聞く」ことです。焙煎日から2週間後がいいのか、1ヶ月後がいいのか。
お店によって焙煎や抽出のアプローチの考え方が異なるため、ベストな飲み頃が変わるのだと思います。
もし期間内に飲みきれない場合は、可能であれば一杯分ずつ真空状態にパッキングして冷凍庫に入れてください。それだけで、素晴らしいコーヒー体験が長く続くはずです。
LEAVES COFFEE ROASTERS
「町のロースタリーから、世界へ」をコンセプトに、2019年より焙煎業をスタートさせ、Probat UG-15、Stronghold S7Xの2台をプロダクション焙煎機として稼働させています。
アメリカのコーヒーメディア「Sprudge」Notable Roaster(注目すべきロースター)部門、2年連続アジアで初めてのノミネートを果たし、国内外のコーヒーラバーや、老若男女問わず地域の住民が訪れるロースタリーでは、日常の中の非日常体験に特化した、ワールドクラスの味わいと体験を楽しんでいただけます。
https://leavescoffee.jp/
【Interview】
科学的根拠と職人の勘が交差する場所。LEAVES COFFEEが追い求める「本物のクオリティ」とは
東京・蔵前から世界に向けて日本のコーヒーシーンを牽引する「LEAVES COFFEE ROASTERS」。代表 石井康雄が語る、長年にわたる飲食業界の経験から導き出された独自のコーヒー論、そして次世代の抽出マシン「xbloom」に見出した可能性について話を伺いました。
「産地個性」を最大限に引き出す、エネルギーのコントロール

ーーまず、LEAVES COFFEEが大切にしているコーヒーへのこだわりについて教えてください。
LEAVES COFFEE: 私たちの根底にあるのは「クオリティにフォーカスする」という概念、そして何よりも「産地個性(テロワール)」を鮮明に引き出すことです。
焙煎においても抽出においても、その豆が持つポテンシャルをいかにネガティブな要素を出さずに表現するかにフォーカスしています。
例えば、ゲイシャ種であれば、その特有のフローラルさやフルーティーさを。国や品種が変われば、当然アプローチも変わります。
様々な角度から素材を見極め、焙煎によってその豆の適切なエネルギーを与えることで、豆側の抽出効率をコントロールしています。過抽出や未抽出(オーバーエキストラクション)による雑味やえぐみを出さない、その豆にとっての「正解」を常に追求しています。
ーー具体的に、産地によってどのように焙煎を変えているのでしょうか?
LEAVES COFFEE: 例えば、パナマのゲイシャのような標高、水分値、密度の高い豆は、焙煎の初期段階でしっかりとした熱量(エネルギー)を必要とします。
しかし、ただ熱をかければいいわけではなく、焦げやすさも持ち合わせている。必要な時にはエネルギーをしっかり与え、適切な場面では瞬時に引く。
この「エネルギーのマネジメント」をLEAVES COFFEEの抽出方法に合わせて徹底することで、未抽出でも過抽出でもない、完璧なバランスの液体を目指しています。
「温故知新」が息づく空間と、プロフェッショナルとしての所作
ーーお店に一歩足を踏み入れた瞬間、その洗練された空間に圧倒されます。空間作りへのこだわりは?
LEAVES COFFEE: 私は「温故知新」という言葉が好きなんです。古き良きものを残しながら、現代の新しい感性を取り入れる。
この店舗も、60年前の壁をそのまま活かしつつ、80年〜100年前のヴィンテージランプを現代的な什器とフュージョンさせています。
また、味だけでなく、バリスタの所作や配置の無駄のなさ、清潔感といった「目から入ってくる情報」もクオリティの一部だと考えています。
プロボクサーからコーヒーの道へ。「黒くて苦いが、甘くてフルーティー」に変わった日
ーー元々プロボクサーで、その後レストランを開業されたと伺いました。なぜコーヒーの道へ転身されたのですか?
LEAVES COFFEE: 実は、もともとコーヒーは苦くて苦手だったんです(笑)。
10代の頃から飲食業に勤め始め、27歳の時にはレストランをオープンしました。当時の私にとってコーヒーは「黒くて苦い飲み物」でした。
転機は2010年、ある頂き物の豆を店のマシンで抽出した時でした。出てきたのは、私の知っているコーヒーとは似ても似つかない、赤みがかかった透明感のある、甘くてフルーティーな美しい液体でした。
飲んでみると、苦味はなく、フルーツのような甘さと透明感に溢れていました。
「これは自分の知っているコーヒーじゃない」という衝撃。そこからコーヒーという未知の世界にのめり込んでいきました。
ーーその後、レストランからコーヒー一本に絞られたきっかけは?
LEAVES COFFEE: 自分の淹れたコーヒーで誰かを喜ばせたいという思いが強まり、まずはレストランにコーヒースタンドを併設しました。
その後、コロナ禍でレストラン経営が困難を極めた際、皮肉にも私を助けてくれたのがコーヒーのビジネスでした。
厳しい状況下でコーヒーの売上が伸びていく中で、自分の気持ちも100%コーヒーへと移っていることに気づきました。
そこでレストランはすべて手放し、「LEAVES COFFEE ROASTERS」として、焙煎から手掛ける現在のスタイルを確立したんです。
xbloomがもたらす「マニュアルを超えた」再現性
ーー今回、次世代コーヒーマシンの「xbloom」とコラボレーションされましたが、実際に使ってみた印象はいかがですか?
LEAVES COFFEE: 驚きました。とにかく調整の自由度が高い。温度、注水のタイミング、さらにはバイパス(お湯割り)までコントロールできる。
これはもはや、マニュアルブリューイング(ハンドドリップ)に極めて近いオートマチックマシンです。
私たちが追求している「エネルギーの微細なコントロール」を、これほど高い精度で再現できるマシンは他にありません。
今回作成したレシピも、ハンドドリップのリズムをそのまま落とし込んでいます。
ーーどのような方にxbloomを体験してほしいですか?
LEAVES COFFEE: 「時間はかけられないけれど、本物のコーヒーを飲みたい」という方はもちろん、自分で淹れる楽しさを知っている方にこそ、その再現性の高さに驚いてほしいですね。
「自分より美味しく作れちゃうかも」という遊び心も含めて、衝撃を受けていただけると思います。
科学的根拠(サイエンス)と、職人の勘(クラフト)の融合
ーーコーヒーに対する飽くなき探求心の源は何でしょうか?
LEAVES COFFEE: 私は今でもコーヒーの勉強が大好きなんです。最近では、国内外で様々なブリュワーと意見交換をしたり、実際にセミナーに参加する中で知り得た論文などから着想を得て、グラインドされた粉の分析や抽出成分の出る順番など、科学的根拠(エビデンス)を基にレシピを構築しています。
かつては職人の勘だけが頼りの世界でしたが、今はデータで証明できる部分が増えました。しかし、面白いのはデータだけでは完成しないところ。
コーヒーは農作物ですから、エイジング(状態の変化)が毎日進みます。昨日の正解が今日、通用するとは限らない。
最後は香りを嗅ぎ分け、色を見て判断する「職人の技術」が必要になる。このサイエンスとクラフトの融合こそが、コーヒーの醍醐味だと思います。
家庭でコーヒーをより美味しく楽しむためのアドバイス
ーー最後に、自宅でコーヒーを楽しむ方へ、今日からできるアドバイスをお願いします。
LEAVES COFFEE: 最もシンプルで大切なことは、豆を買う時に「そのお店の人に、ベストな飲み頃を聞く」ことです。焙煎日から2週間後がいいのか、1ヶ月後がいいのか。
お店によって焙煎や抽出のアプローチの考え方が異なるため、ベストな飲み頃が変わるのだと思います。
もし期間内に飲みきれない場合は、可能であれば一杯分ずつ真空状態にパッキングして冷凍庫に入れてください。それだけで、素晴らしいコーヒー体験が長く続くはずです。
LEAVES COFFEE ROASTERS
「町のロースタリーから、世界へ」をコンセプトに、2019年より焙煎業をスタートさせ、Probat UG-15、Stronghold S7Xの2台をプロダクション焙煎機として稼働させています。
アメリカのコーヒーメディア「Sprudge」Notable Roaster(注目すべきロースター)部門、2年連続アジアで初めてのノミネートを果たし、国内外のコーヒーラバーや、老若男女問わず地域の住民が訪れるロースタリーでは、日常の中の非日常体験に特化した、ワールドクラスの味わいと体験を楽しんでいただけます。
https://leavescoffee.jp/